「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」発売記念カウントダウンインタビュー<第2回>グェンドリン・クリスティー&ニコライ・コスター=ワルドー編

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海外ドラマ史上最高傑作と称された「ゲーム・オブ・スローンズ」。今年2019年12月4日(水)には「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」のブルーレイ&DVDが発売、同日には、特別仕様 豪華ボックス コンプリート・コレクションも発売されます。
この発売を記念して、キャストのスペシャルインタビューを毎日お届けする「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」カウントダウン・インタビュー企画。二日目となる今回は、ブライエニーグェンドリン・クリスティージェイミー・ラニスターニコライ・コスター=ワルドーのインタビューをお届けします。

GC:グェンドリン・クリスティー(ブライエニー)
NCW:ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター)

—「ゲーム・オブ・スローンズ」撮影初日のことを覚えていらっしゃいますか?
GC:ええ、あの日はハリケーンに見舞われました。ベルファストで(ナタリー・ドーマー演じる)マージェリー・タイレルが見守る中、ブライエニーが(フィン・ジョーンズ演じる)ロラス・タイレルに圧勝するシーンを撮影していたんですけど、本当にハリケーンに襲われたの。それが私の撮影初日で、それまであまり撮影の経験がなかった私は、ひたすら続けていかなければと思っていました。甲冑の重さに耐えながら「なんてこと!どうやってこれを何年もずっとやっていったら良いというの?」と思ったものよ(笑)。殺陣のシーンがあったけれど、セットが風で飛んでいってしまい、危険だったのでどうしても出来ず、キャンセルになったの。そして私達は崖に面したホテルに缶詰状態となり、皆と夜を共にしたことで絆が深まり、有意義な時間を過ごし、友情を育んでいった。極度に緊張していたのだけれど、そのシーンの撮影のため2週間後に再び戻った時にはずっとリラックスできた。撮影初日にハリケーンとは、なんという始まり方なんでしょう!

—その時点でどのようなことを期待されていましたか?
GC:それまで私はテリー・ギリアムの作品(『Dr.パルナサスの鏡』)での小さな役や、アーティスト、コラボレーターと共にインディペンデント映画などに出演していたものの、全て小規模のインディペンデント・アート映画だった。「ゲーム・オブ・スローンズ」がそれまでで最もシリアスで大規模なプロダクションだったので、慣れていかなくてはと必死になっており、ちゃんとした演技を披露出来るようになるまで、色々試して手探りでやっていかなくてはならないということを意識していました。

—ニコライさん、あなたは撮影初日のことを覚えてらっしゃいますか?
NCW:いや、思い出せない(笑)。もう10年も前のことなんだ。パイロット版の脚本の読み合わせは、カメラがあったので怖かったことを覚えている。U字型に座り、カメラが3台あり、「変だな。演技をすることになっていたんだっけ?」と不思議に思っていると、「いや、オーディションではない。ビッグになってくれればと期待しているドラマの始まりだ」と言われ、「分かった。それは良いね」と思って読み合わせをやったんだ。俳優たちの中の何人かはその場にいなかったものの、中心となる面々は揃っていた。デナーリスの兄(ヴィセーリス・ターガリエン)を演じたハリー・ロイドが自分のキャラクターだけでなく、その場にいなかった他の役者たちのキャラクターの箇所も読んでいたんだが、彼は驚異的で、見事だったのを覚えているよ。セリフの読み合わせというのはどこか気が重くなるところがあって、僕はそこに座ってただこなそうとしていた。しかもそこにカメラもあって、「ただ記録として撮っているだけだから」と言われていたものの、そのために2人の俳優がクビになったんだ!

GC:本当?

NCW:そうだ。だからその日のことを覚えている。僕が何を期待していたかということについては…。それはエキサイティングだった。その当時、ドラゴンやファンタジーの人物が出てくるドラマに出演するというと「それは馬鹿げている」と言われたものだが、HBOの作品というラベルがついていた。HBOのおかげで良いドラマということになっていたが、それでもその時上手くいくのかどうかは分からなかった。もちろん良かったけれどね(笑)。


 

—そして月日が流れ、撮影最終日はいかがでしたか?
GC:嬉しいことに私の最終日はあまり出番がなかったので、自然と考える時間が出来たけど、それによって素晴らしい演技だったとか、エモーショナルな演技、もしくは肉体的な演技ができたとか考えながら最終日を迎えることにはならず、私にとってはあまり活動的ではない日だったの(笑)。誰もが「これで終わりだ」と言っていたけれど、私は割り切って考えていて、ここまで長いことずっと出演し続けることができて光栄だと思った。本当にそう感じたわ。翌年も仕事を貰えるかどうかなんて分からなかったし、このドラマの性質から、オフスクリーンで死ぬ可能性だって非現実的というわけではなかったので、「私はまた戻ってくるか分からない」などとよく言っていたものよ。デヴィッド(・ベニオフ)とダン(D・B・ワイス)は常に「ゲーム・オブ・スローンズ」で最悪なのはオフスクリーンで死ぬことだと言っていたので、そういう可能性だってあり得ることだったの(笑)。

NCW:最終日には彼らが「さあ、みなさん、グェンドリン・クリスティーはこれでシリーズ最後となります」と言った。彼らはそういう風に言ったんだ。

GC:やめてよ。今、泣いちゃうじゃない!

NCW:そしてデヴィッドとダンはシリーズを通してずっとやったように、素敵なものを持って来てくれた。自分のキャラクターの絵コンテのポスターを持ってきたんだ。

GC:私のは最終章からのものだったの。

NCW:それを貰い、デヴィッドとダンからのスピーチがあった。これはなかなか良いもので、「グェンドリン、君はずっと素晴らしかった」とね。

GC:とても嬉しいことを言ってくれるの。それまで自分では心の準備が出来ていると思っていたのに、胸の鼓動が高鳴り、それがとても怖くなった。割り切ってはいたけれど、突如として感情の波が押し寄せてきたの。「しっかりしなさい」と自分に言い聞かせていたけれど、彼らが話し始めるやいなや、感極まって、我慢の限界を超えてしまったのを覚えているわ。姿勢よく立っていたのに、突然耐えられなくなり、2時間もずっと泣き止むことが出来なかった。それは奇妙な感覚で、自分でもそれについて笑っていたし、他の人も笑っていたのだけれど、それでも止められなかった。このキャラクターは私にとって大きな意味を持つものであり、このようなことは一生に一度のことよ。幸運なことに自分の仕事が人々に対して何かを象徴するようになり、重要なものとなっていき、女性がより表に出ていった。女性の物語をより掘り下げていくというムーブメントの一員となれたというのは、私にとっては大きなことで、この仕事によって可能だとは思ってもいなかったことが可能になった。そういったことすべてが身にしみて、私はとても感動したの。それからみんなと深い絆を結んだのに、彼らとはもう定期的に会うことはないし、仕事という言い訳を基にあんな風に楽しむことはできなくなる。彼らと一緒に仕事をするというのは、この喜びの一部なの。

NCW:僕の最終日は素晴らしかった。名シーンだったので幸運だったと思う。最終日にプレゼントされた絵コンテは、はて、(僕のは)ジェイミーの手が切断されるシーンだった。ここ数年間、HBOはすべてを記録しておこうとしていて、舞台裏の映像が常に撮影されていた。その時、僕は「ここに立っている様子を、このような形で撮影されたくない」と思ったんだ。それはとてもプライベートな瞬間だったので、彼らに遠慮してもらうようにお願いした。

GC:私達の社会ではそういったことがよく理解されている。昨今ではすべてを記録しておこうとするけれど、私達の世代はインターネット以前の時代のことを覚えているわ。若い世代は自分たちがどのように映るかというのは意識しているけれど、ある程度無意識でいるという感覚は失われている。だから私達は、プライベートであるべき、制御することが出来ない感情というものに純粋さを感じるのかもしれない。そしてまた恥ずかしいとも感じるもので、私は泣きたくはなかった。泣いているところを撮られたくなかったということではなく、その瞬間をプライベートなものとして欲しかったの。このドラマの中での自分の役に対して、そして自分がいかに感謝しているかということに深い感情を抱いているし、これはもしかしたら自分がイギリス人だからなのかもしれないけれど、それをプライベートとなものとして、一緒にいた人との間の親密な瞬間としたいと思うの。

—ということは、カメラがすぐ目の前にあったのですか?
NCW:そう、それで僕は動いてもらうようにお願いして、移動してもらった。もう一度そう言うと、その人がまたやってきた。彼は善い人だったが、「そうするように言われたので」と言っていたので、それならそれで良かった。

—ジョージ・R・R・マーティンはエンディングのことをほろ苦いと表現されていましたが、ご自身ではどう表現されますか?
GC:とても良い終わり方だったと感じたわ。無秩序に広がった複雑な地図なので、未解決のところを上手く解決することができたのだと思う。中には驚いたこともあったし、そうではないこともあったけれど、オーディエンスにとっては驚きだと思う。全員が納得のいくドラマのエンディングというのはあり得ない。すべての人を満足させることなどできないもの。ただ私がとてもありがたいと思うのは、デヴィッドとダンがブライエニーの物語についての私の考えに耳を傾けてくれたことで、自分が少しでも関与できたと思えて嬉しかったし、それは私にとって大きなことだった。

NCW:彼らは素晴らしい仕事をしたと思ったね。そう、もちろんサプライズがあったので、最終エピソードの後、かなり意見が戦わされることになるわけだが、彼らは「ゲーム・オブ・スローンズ」、そしてウェスタロスの世界に忠実であったと思う。まだ出ていなかったかなり多くの答えを出したわけだが、ただ、すべての答えを出すことは不可能だ。彼らにあれ以上のことはできなかったと思う。

—「ゲーム・オブ・スローンズ」の一員となったことがあなた方の人生を変えたのは明らかですが、どのようなことが得られましたか?

NCW:それは今から5年先、それについての見方が確立して初めて答える事ができるのではないかと思う。今はまだ、「僕の人生を変えた」というような思いに対して、自然と抵抗しようとしてしまう。

GC:私達はそれにずっと抵抗してきたから、それが私達の間で共通の点だったのだと思う。

NCW:時は人を変えるものだ。もし「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演していなかったら、きっと別のことをしていただろうから、僕が言いたいのは、人生が人を変えるものだということだ。「ゲーム・オブ・スローンズ」によって影響を受けたかと問われれば、もちろんそうだったし、他のことをしていたとしたら、それによってもまた影響されただろう。その間、12作の映画に出演したが、それらにも影響を受けた。そして僕の家族の方がそれ以上に僕の人生に影響を与えてきただろう。しかし、5年後、10年後には、そのおかげでここまで来られたとか、これで成功したからこういう事ができるようになったという風に振り返ることができるようになるだろうね。

GC:私は「ゲーム・オブ・スローンズ」をずっと仕事とみなしてきて、仕事場に行き、仕事をし、仲間意識を持って、過酷で親密な体験をするという不思議な不調和を経験してきたけれど、これは私にとってとてもパワフルなものなの。そこから一歩離れて、自分を批評し、どのようにして向上させることができるかに集中したのだけれど、人々がこのドラマを観てくれているということに、私はいつもショックを受けていたわ(笑)。それは私がこのドラマのクオリティを信じていないからではなく、他に類を見ないものだと思っているけれど、私自身はそういう風に見ていないからなの。この歳になって、そして「ゲーム・オブ・スローンズ」を経験した今でもまだ、人々が観てくれたと聞いて驚くの。そして長年出演してきた中で、私は仕事以外でとてもしっかりとした、彩り鮮やかで満足のいく人生を送ってきた。友達のほとんどは、成人してからずっと友達だから、彼らとは長年の物語があり、年月ということで言うと、「ゲーム・オブ・スローンズ」を上回る。彼らはいつでも概念的なことではなく、実際に人と人との間に何が起こっているのかということに私を引き戻してくれるの。

—プレミアやプレス・ツアー、そしてブルーレイ&DVDリリースもありますから、まだ「ゲーム・オブ・スローンズ」が続いているように感じられるのかもしれませんね。

NCW:そうなんだ。

NCW:エミー賞に初めてノミネートされた年、別の番組が最終ランを迎え、セレモニーの後、そこでそのドラマの俳優たちが落ち込んでいる様子だったのが印象的だった。そこで「うわ、これが彼らにとっての最後の瞬間なんだ」と思ったものだが、僕たちもそうなるのかもしれない(笑)。


 

「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」
12月4日(水)ブルーレイ&DVD 発売! 

■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 ブルーレイ コンプリート・ボックス ¥11,818 +税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 DVD コンプリート・ボックス ¥10,000 +税
■レンタル ブルーレイ&DVD Vol.1~5 ※Vol.1 のみ2話収録

「ゲーム・オブ・スローンズ」コンプリート・コレクション&コンプリート・シリーズ 12 月4日(水) ブルーレイ&DVD 発売


■【300 セット限定生産】特別仕様 豪華ボックス ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・コレクション ¥72,727+税


■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・シリーズ ¥42,727+税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> DVD コンプリート・シリーズ ¥34,545+税

<ゲーム・オブ・スローンズ 公式サイト>
http://www.gameofthrones.jp 
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

Game of Thrones (c) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved.
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Distributed by Warner Bros. Entertainment Inc.
※R-15:本作には、一部に15 歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています。

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