「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」発売記念カウントダウンインタビュー<第4回>ジェイコブ・アンダーソン&ジョー・デンプシー編

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海外ドラマ史上最高傑作と称された「ゲーム・オブ・スローンズ」。今年2019年12月4日(水)には「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」のブルーレイ&DVDが発売、同日には、特別仕様 豪華ボックス コンプリート・コレクションも発売されます。
この発売を記念して、キャストのスペシャルインタビューを毎日お届けする「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」カウントダウン・インタビュー企画。四日目となる今回は、グレイ・ワームジェイコブ・アンダーソンジェンドリージョー・デンプシーのインタビューをお届けします。

JA:ジェイコブ・アンダーソン(グレイ・ワーム)
JD:ジョー・デンプシー(ジェンドリー)

JD:ここ数日間、楽しんでいるんだ。インタビューはこれまであまりやったことがなかった。昨年、僕は少し表に出されなかったので、僕たちのほとんどが控室に1日中一緒にいるものだとばかり思っていたが、まるで夜にすれ違う船のように、お互いほとんど顔を合わせることがない。それでも懐かしい顔ぶれにまた会えるのは嬉しいものだよ。

—それはまたお互いに連絡を取り合い、「ゲーム・オブ・スローンズ」の関係を続けていく1つの方法だったりするのでしょうか?
JD:それは確かにあるね。「撮影が終わるというのはいかがですか」と良く聞かれるんだが、僕たちの誰にとってもエモーショナルな体験だった。今はまだ、この作品のためにプレス取材をやって、その後本作が公開になり、最終話が放映になるまでまだ続いていくと頭の片隅で感じているが、その後、喪に服す過程のまた別の段階に至るのだろうね。

JA:お互いがお互いの世界にずっと居続けるように感じるので、不思議なものだよ。

—ということは、育まれてきた友情、人間関係というのはこれからもずっと続いていくと?
JA:僕は本当にそう信じているよ。この作品に関わることだけに限定してお互いの世界に存在するというのではなく、お互いの事をよく知り尽くしており、素晴らしい共通の体験があるということなんだ。キャリアを通してこのような体験ができる俳優は限られているので、僕たちはとても幸運だと思う。このような素晴らしい作品で一緒に仕事をしたという共通の絆がずっとあり続けるんだ。

—それが終わりを迎えた今、「ゲーム・オブ・スローンズ」』初日のことを覚えていらっしゃいますか?どのようなことを期待されていたのでしょうか?
JA:僕にとっての初日は、僕の最初のシーンだった。ヘルメットを脱いで、自己紹介をするというもので、エミリア(・クラーク/デナーリス役)、ナタリー(・ドーマー/マージェリー・タイレル役)、イアン(・グレン/ジョラー・モーモント役)、イアン(・マッケルヒニー/バリスタン・セルミー役)と一緒だった。

—参加できることに興奮していらっしゃいましたか?
JA:いや、恐怖だった。きっと首になるに違いないと思って怖かったから、興奮するどころではなかった(笑)。僕とジョー(・デンプシー)は10年来の友人だったし、ハンナ(・マリー/ジリ役)とも何年もずっと友人だったし、このドラマの出演者とも知り合いで、彼らとは楽しい経験をさせてもらったにも関わらず、僕はなぜだか本当に怖かった。あまりにも大規模な作品で、HBOの人が突如セットにやってきて、「彼は無能だからつまみ出して。別の役者を入れよう」と言われるのだと感じていた(笑)。きっと首になるんだと1日中心配だった。

最近自転車でモロッコを横断したんだが、ちょうど初めてのシーンの撮影があった場所を通ることになった。そんなことがあったからその地には戻っていかなかったんだが、到着したら、「この場所、知っているぞ」と思った。あのスケール感、セット、ロケーション、そして現場にいた素晴らしい役者たちに圧倒されたのを覚えている。そこに再び戻った時、すべてが蘇ってきたんだ。当初、ほとんど誰も知っている人がいなくて、そのような大作に自分が参加するというのは力不足だと思っていたのが、最終章まで生き残ったというのは、考えてみたらすごいことだ。

JD:「ゲーム・オブ・スローンズ」特有のものか分からないが、この作品に出演する役者の間ではよくあることだ。僕の初日は第一章で、第三章でジェイクが登場する頃には、この作品は既に人気だったが、僕は以前同様怖かった。第一章で怖かったのは確かだね。僕はイギリス人俳優で、HBOというのは素晴らしいテレビ局という定評がある。彼らはテレビドラマが絶好調となった昨今の先駆者だった。それからまた僕がジェンドリー役に決まる前、いくつかのシーンのためにオーディションをしたことがあったが、僕がキャスティングされたのはジェンドリーだった。ジェンドリーをイメージする外見から僕はまったくかけ離れていた。だから「僕のキャスティングは焦ってやったんだろう。第一章だけやらせて、第二章が始まる頃には、キャラクターもより大きくなり、彼らはちゃんとした人を雇うようになるだろう」と思い込んでいた。このジャンルをこれまで演じたことはなかったということもある。僕はこれまでイギリスで、こういう表現は好まないんだが、「キッチンシンク(人々の日常生活をあるがままに描写した作品)」と呼ばれるものを多くやってきた。「ゲーム・オブ・スローンズ」での僕の初日はというと、ショーン・ビーン(ネッド・スターク役)が相手だったので、すごいことだったよ。

JA:デヴィッド(・ベニオフ)、ダン(D・B・ワイス)そしてキャスティング・ディレクターが上手くやったことだと思うが、「原作ではこのキャラクターはこういう感じだから、それに合うタイプの人を探す」というのではなく、役者をキュレートし、キャスティングするのだと思う。

—この作品に出演する俳優の多くがそれまでに別の役を演じてこられていて、その後キャスティングされていますよね?
JD:そう、そういうことなんだ。ただ、頭の中でどう考えるか次第ということだ。僕の頭の中では「僕のことはきっとどうしようもないと思われているに違いない。僕を何度も呼んでくれるものの、役を与えられない」と思っていたが、実際は彼らが一緒に仕事をしたいと思う人を選び、その人に合ったキャラクターを探すということで、まるでジグソーパズルのピースのようなものだった。

—デヴィッドとダンは最終日にお別れの贈り物として絵コンテをプレゼントされましたか?
JD:そう、僕のはメリサンドルとのヒルのシーンだった(笑)。あの日は最も型破りな撮影日だったね。

—とても印象的なシーンでしたが、撮影はいかがでしたか?
JD:僕にとって、この作品がどれだけとんでもない作品かというのを確信する瞬間だったので、実は懐かしい思い出なんだ(笑)。そのエピソードを撮影する日が近づいた時、他のキャストは準備があったため脚本を事前に貰っていたが、僕には送られてこなかったので、ヒルのシーンの2週間ほど前、キャスト達から「第5話はもう読んだ?」と意味深に言われたものだった。「いや、まだだけど、なぜ?」と聞くと、「そのうち分かるさ」と言われた。それを読んだ時、「ああ、みんなが言っていたのはこれか」と思ったよ。そしてヒルはどうするのだろうと思った。ヒルはCGでやるのかと思っていたら、撮影の2日ほど前にメールが届き、「ジョー、ヒルは大丈夫だよね?」とあった。「一体どういう意味なのだろう?ヒルが大丈夫な人なんているのだろうか?」と思っていると(笑)、「ああ、本物のヒルを使うということなんだ!」と悟ったんだ。

—ヒルは本物だったのですか?
JD:そう、本物だったんだよ(笑)。

JA:この作品ではそういうことをやるんだよ。僕の場合、ヒルはなかったけれど、最終章で「これはどうやってやるのだろう?」と思っていたところ、本当にそうしたということがあった。

—最終日はいかがでしたか?
JD:とても不思議な感じだった。最終日を分かち合った他のレギュラーキャスト何人かと一緒だったのは嬉しかった。変に静かな雰囲気で、表現するのがなかなか難しい。最も近いのは学校の卒業前の最終日だね。人生のこの章が幕を閉じようとしていて、これからも連絡を取り合って会う人も大勢いるが、今後はあえてそういう努力をしなければならないということだ。撮影する作品があって毎シーズンお互い顔を合わせるというわけではないから、努力して連絡を取り合わなければならないわけだが、僕は絶対そうしようと思っている。

—ジェイコブさん、あなたの絵コンテはどのようなものでしたか?
JA:僕はまだ貰っていないんだ。僕の最終日は不思議だったよ。どうやって心の準備をしたら良いのか分からず、思っていたような反応では全くなかった。自分では終わる準備が出来ていたと思っていたんだ。最終章は撮影期間が長く、10ヶ月にも渡り、その時点ではもう先に進んでいくことが出来ると思っていた。役者は誰もがクルーに対してお礼を言っていたが、僕はその言葉を用意していなかったので「みんなのことがどれだけ大好きかということを、今、正に実感しています」と言い、それで感極まってしまった。そのような人たちを失ってしまうと気がついた時、彼らが僕にとっていかに大切な人たちだったのかということを実感した。これは単なる仕事ではなかった。それだけであったことはこれまで決してなかった。終わってから10分後、その時点で僕は打ちひしがれていたが、遂にグレイ・ワームの衣装を脱がなくてはならない時が来た。撮影初日からずっとそれを着てきたので臭かったが(笑)、衣装部の素晴らしい女性が手伝ってくれ、毎回身につける、脱ぐという同じ手順を繰り返していた。撮影の合間の時間が長い時は、30分脱がせてくれたりもしたが、とにかく彼女はいつもそこにいてくれた。僕の最後のシーンの後、彼女は脱がせてくれたんだが、僕は直感的にそれを掴んだ。手放したくはなかったんだ。彼女に「これを手放したくない」と口に出して言ったほどで、それからまた涙が出てきた。自分がそんな風に反応するとは思ってもいなかったが、「ゲーム・オブ・スローンズ」にお別れを告げるのはとてもエモーショナルなことだった。

 

—「ゲーム・オブ・スローンズ」の一員であったことをどのように感じていますか?
JD:個人的には素晴らしい友達が出来た。プロフェッショナルな面では、シリーズの撮影中、最初の頃は、若手俳優が皆そうであるように、もっとストーリーラインをやりたかったし、もっと責任をもたせてもらいたいと前のめりで貪欲だった。自分自身に、そして友人達に、「そこにいられれば満足というわけにはいかないんだ。もっと貢献したい」と言っていたのを思い出すよ。最終章の終わりに来た時、なんと僕はそこにいてその一員でいられるだけで満足だったんだ。

JA:全く同感だね。「ゲーム・オブ・スローンズ」以前にやった演技の仕事のほとんどを忘れてしまった。それまでの仕事で一緒だった人たちが良い人ではなかったとか、過去の仕事において良いことがなかったとかということではなく、ただそういうものなんだ。「ゲーム・オブ・スローンズ」のことは一生忘れないだろう。決して忘れることなどないね。
 


 

JD:今後、幸運なことに何年もずっと演技の仕事をさせてもらえるのだとしたら、そして人々が僕たちに質問をしたいと思ってくれるのだとしたら、30年後もまだ僕たちは「ゲーム・オブ・スローンズ」の話をしているだろうね。それはそこまでこの作品が素晴らしいからなんだ。そして、僕は喜んで話すだろう。ずっとそうさ。僕たちの人生において大きな部分を占めるものであり、忘れることはできないね。

「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」
12月4日(水)ブルーレイ&DVD 発売

■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 ブルーレイ コンプリート・ボックス ¥11,818 +税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 DVD コンプリート・ボックス ¥10,000 +税
■レンタル ブルーレイ&DVD Vol.1~5 ※Vol.1 のみ2話収録

「ゲーム・オブ・スローンズ」コンプリート・コレクション&コンプリート・シリーズ 12 月4日(水) ブルーレイ&DVD 発売


■【300 セット限定生産】特別仕様 豪華ボックス ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・コレクション ¥72,727+税


■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・シリーズ ¥42,727+税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> DVD コンプリート・シリーズ ¥34,545+税

<ゲーム・オブ・スローンズ 公式サイト>
http://www.gameofthrones.jp 
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

Game of Thrones (c) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved.
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Distributed by Warner Bros. Entertainment Inc.
※R-15:本作には、一部に15 歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています。

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