国内外の金融機関でファンドマネジャーとして活躍、ビジネス雑誌「Forbes」に寄稿するなど、マルチな活躍を見せるコスプレ歴17年、オタク兼腐女子のコスプレイヤーHikariさんへ、Sally.asia編集部・アヤネが直撃インタビュー!
前編では、コスプレを始めたきっかけや、今もコスプレを続けられる理由などを語っていただきました。後編では海外のコスプレ事情や海外のコミケの裏話を伺いました。
――コスプレをして、一番印象に残ったことは何ですか。
うれしいことでいうと、前半の記事にも書いた通り10年くらい前に会った人とまた出会ったりとか。10年前に中国の広州に行った時に会った子が、最近、「HikariさんをInstagramで見つけました」ってメールをくれたり。10年前に、海外のイベントに色々言っていたのですが、当時出会った素敵な友達は、今でも普通に会っています。年月関係ないなって。人も多いから人が入れ替わる世界だと思いきや、意外と繋がっているんですよね。
――日本は結婚とかでコスプレを辞める人が多いと言いましたが、海外はそういうわけでもないですか。
日本では、コスプレ=恥ずかしいものと思う人がまだいると思うんです。だから恥ずかしい=黒歴史、黒歴史は整理しないといけない、みたいな。
海外では「なんで偏見を持つの?」て。「結婚するからコスプレ辞める人いるよ」なんて話をすると、「そんなのありえない!何で男のために好きなことを辞めなきゃいけないんだ。そんな男なんて振ってやれ!」って言いますね。西洋人は、女性もすごく独立心が強いので。
――最近、日本の男のコスプレイヤーが増えましたが、海外も男のコスプレイヤーが多いですか。
海外は、男の人も結構います。昔、日本の男性コスプレイヤーは非常に少なく、いたとしても、ナンパ目的が多いと思われていました、今は大分変わってきたと思いますが。女が多いから、ナンパするためにやってるんだろうと。一方で、海外の人は、芸術の一環として、表現者としてやってる。あと、海外のコスプレイヤーはLGBTも結構多いですね。日本は表に言わないだけかな。海外はみんな、男同士と女性同士、カップルでコスプレをする人は結構いる。
去年再会した10年前に会った友達で、スペインに行った時に、「彼と家に泊まればいいよ」って紹介されたんですけど、見た目は女だったんですよ。声は男で、荷物を運んでくれた時に、うちに私の他にもう二人男がいるよって。「えっ!男しかいないところに泊めてもらうの?」って言ったら、「あ、でもこの二人は同性のカップルだから」って言われて(笑)。日本人も含めて、コスプレをしているといろんな人たちに会えますよ!
――コスプレで海外のレイヤーさんと併せたことはありますか。
結構あります。いくつか挙げると、ドイツはかなり行っていて、ドイツでは「ヘタリア」併せをやってたんですけど、ドイツの人は背が高いから、私が男装するとちんちくりんになっちゃうから、ドイツではヘタリア併せで、ドイツ人の「オーストリア」と「プロイセン」で、私は「ハンガリー」をやりました。あと、台湾の子たちとは、「けいおん!」の併せをしたりとか、「ヘタリア」もしました。
日本でも一緒にやったことはあります。10年前に外国人が日本のイベントに来るって、日本語ができないとほぼ不可能だったんですね。
当時、ドイツ人の友達が日本に来ている時に、豊島園のコスプレイベントでポケモン併せをしたんです。ヨーロッパやアメリカの人はポケモンが大好きなので。そのとき、後ろからサトシのコスプレをした怪しい日本人のおじさんが一日中ずーっとついてきて・・。ドイツ人の友達は怯えてしまって、友達に「ごめんね、この変な男が日本の男性のすべてではないから」ってなだめていました。最終的に私たちがお店に入って座ってご飯を食べ始めた瞬間に、「すみません、写真を撮ってもいいですかあ?」って言われて、撮られたくないので、外人の振りをして英語で返したら、長い沈黙の後に「失礼しました!」と帰っていった。友達が、「あの人、英語がペラペラだったら私たち終わってたね」って(笑)。
――海外のコミケに行ったきっかけは何ですか。
バックパッカーで世界中を回っていたから、海外の良さを知っていて、海外の人と友達になりたかったんです。今でこそ海外のイベントでも日本人を見かけるようになりましたが、10年前は誰も海外のイベントに行っていなかった。調べたら、たまたまタイのイベントを発見したんです。とりあえず行くか!って思って、バックパッカーをしていたおかげで怖くはなかったので、衣装を持ってふらっと出かけて。その時、「涼宮ハルヒ」をやったら、イベント会場中の人たちが集まって写真を撮りに来ました。
海外のコスプレイヤーたちは日本に興味がある人も結構いる、今は大分コスプレ人口も増えてライト層も増えたけど、10年前はコスプレ人口も少なく、10年前に出会った海外の人は、本当に日本が好きな人がコスプレしている事も多かった。そういう海外の人たちと仲良くなって、その流れで海外のイベントに行ったり、日本に呼んだり、SNSでやり取りしたりするようになりました。
――海外のコスプレイヤーさんたちは、みんな衣装は自分で作ったりしますか。
自分で作る人もいますが、買う人も結構います。世界中に安く送ってくれる便利な業者があって、そこで買って使っている、という話は聞いてました。
――もし、将来台湾のコスプレイヤーさんと交流会が開催したら、ひかりさんは興味ありますか。
すごく興味あります。
――今まで行かれた海外のコミケイベントに行かれてみて、一番好きなのはどこでしたか?
イスラエルですかね。誰が人気とか、すごいきれいとか、ではなくて、みんながオープンになる感じ。10年前のドイツもそんな感じでした。フォロワーを増やしたりすることが目的ではなくて、みんなが平等、仲間っていう感覚。純粋に興味を持って、交流して、フラットに話すって楽しいですね。
――今、海外で人気な日本の作品は何ですか。
女性向けだと「ヒプノシスマイク」「うたの☆プリンスさまっ」、男性向けはちょっと詳しくないけど、「ソードアート・オンライン」はいつも人気ですね。「NARUTO -ナルト-」と「ポケモン」、「ラブライブ!」、「Fate/Grand Order」も流行っていました。
――最後にメッセージを一言お願いします。
私は台湾がすごく好きで、行ったのは2~3回くらいかな。全部コスプレで行ったんですけど、皆さんともっと仲良くなりたい。もっと台湾のことも知りたい、またイベントでも行きたいですね。
――ちなみに、一番好きな台湾の食べ物は何ですか。
10年前に、友達がこれが一番おいしいよって言ったのは「パイナップルケーキ」。確かにおいしかったです。しかも一番おいしいパイナップルケーキを買ってきてあげるって言って、なぜか友達は台湾の高島屋で買ってくれた。いろいろ食べたんですけど、名前を覚えたのは「パイナップルケーキ」です。あと、マンゴーとかのフルーツもとてもおいしかった!
お仕事のあとの遅い時間のインタビューにもかかわらず、私のたくさんの質問に笑顔でこたえてくださったHikariさん。本当にありがとうございました!
インタビューの後もたくさんのお話を伺いましたが、その中で、「趣味がない人は、楽しさではなく外的な価値で物事や人を測る事が多い」や「一つの世界しか知らない人、世界が狭い人は、人のことを否定する」など、なるほど!と思う言葉や、海外のコスプレイベントで楽しめたポイントとして、「自分の意見をはっきり言うこと」「予想外のことが起きてもいいように、自分でしっかり下調べをすること」という、参考になるアドバイスなど、Hikariさんの言葉のひとつひとつがとても印象深く心に残りました。
本当にHikariさんは素敵で、これからも私の憧れの人です。
Atsuko Sakai -Hikari Green-
(金融女子コスプレイヤーから見た「世界」)
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