国際的にハイレベルなアートイベントが集結する「香港アートマンス」。キックオフイベントとして香港内外から1,700人を超えるアーティストが集結した「香港藝術節(Hong Kong Arts Festival(HKAF))」、過去最大級のスケールで展示やパフォーマンスなどを開催した「アート・セントラル香港」、20世紀前半の近代美術の傑作から最新の現代美術まで、ベテラン及び新進気鋭のアーティストによる作品を紹介した世界的に有名な国際アートフェア「第6回アート・バーセル香港」など様々なイベントが開催された春の香港。今回は、今年初開催となった香港島・ビクトリアハーバー沿いで行われた「Harbour Arts Sculpture Park(藝遊維港)2018」を訪れました。
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのアートディレクターTim Marlow氏と、森美術館館長の南條史生氏が共同キュレーターを務めた本イベント。香港島・セントラルからワンチャイの香港藝術中心(Hong Kong Arts Centre)にかけてのハーバーフロント沿いに展示されている、香港および海外の現代アーティスト18名による作品の数々を無料で楽しむことができます。
香港島・MTR金鐘(アドミラルティ)駅を降りて政府庁舎を抜け、添馬(タマール)公園に到着。ここに最も多くの作品が展示されています。
「Untitled」BOSCO SODI
「White Horse」MARK WALLINGER
「Before Collapse」MATTHEW TSANG MAN FU
「Asteroids & Comets」KACEY WONG
「Hong Kong Blues」RASHEED ARAEEN
「Bearlike Construction」GIMHONGSOK
「Gardenfork(Magenta)」MICHAEL CRAIG-MARTIN
公園の緑を楽しみながら遊歩道を進むと「前衛の女王」草間彌生氏の代表作「南瓜」が登場。香川県・直島の海に負けず劣らず、九龍島側の街並みを一望できる大都会でもその存在はしっくりと溶け込みます。
「Pumpkin:big」YAYOI KUSAMA
「45 Degrees Artificial Rock」ZHAN WANG
初夏を感じさせる陽気の中、ワンチャイ方面へ足を進め、Hong Kong Arts Centreへ。
「Ernest and Ruth」HANK WILLIS THOMAS
「The Truth is I Love You」HANK WILLIS THOMAS
展示の中には夜7時からライトアップされる作品や、(良い意味で)景色の中に溶け込みすぎている作品もあり全てをご紹介しきれませんでしたが、香港の象徴ともいえるハーバーフロントにたたずむ美術館レベルの大型彫刻作品は様々で見ごたえがあります。足を止めて作品に見入る人、一つの作品を色々な角度から眺めシャッターを切る人の姿もありました。
コロニアルな街並みを抜けると中国の風情ある場所にたどり着き、その近くでは新たなスポットが築かれる…。存在そのものがアーティスティックな香港でまた一つ新しいアートに出会うことができました。いつ行っても新しい出会いがある、そんな街・香港はやっぱりいいですね。