海外ドラマ史上最高傑作と称された「ゲーム・オブ・スローンズ」。今年2019年12月4日(水)には「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」のブルーレイ&DVDが発売、同日には、特別仕様 豪華ボックス コンプリート・コレクションも発売されます。
この発売を記念して、キャストのスペシャルインタビューを毎日お届けする「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」カウントダウン・インタビュー企画。八日目となる今回は、ブライエニー役グェンドリン・クリスティーとジェイミー・ラニスター役ニコライ・コスター=ワルドーのインタビューをお届けします。
GC:グェンドリン・クリスティー(ブライエニー)
NCW:ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター)
—『ゲーム・オブ・スローンズ』が終わってしまった今、悲しいですか?今後、何か決まっていらっしゃるのでしょうか?
NCW:これで終わりだ・・・!
GC:なんてこと!それはどういう意味で言っているの?
NCW:どうやって先に進んでいったらいんだ?これから、どうやって前進していけばいいのだろう?
GC:私達の中でそれが分かっている者など誰一人いないわ。
—舞台とか、映画とか?
GC:いつか、私は死ぬでしょう(笑)。でもそれまでの間をどう過ごすかということが大切なの。プレッシャーを感じるものでしょう?一緒に仕事をする人たちと深い絆を結ぶわけだから、それが終わってしまって本当に悲しい。
さっきニコライが言っていたけれど、お互いに対して理解がある。みんな親密に一緒に仕事をするけれど、帰宅しても、それが毎年ずっと続いていき、みんなに支えてもらえる環境に戻ることができるって、ホッとするものなの。そしてその先へと進んでいくことができる。馴染みのある環境があって、それが私の人生の中で8年間も続いた。それぞれの瞬間すべてが愛おしいし、ブライエニーというキャラクターに奥深さを感じるけれどこれまでずっと掘り下げてきたので、個人的には他の仕事をし、変化していく心の準備ができているの。また舞台の仕事をやろうと思っているの。それから映画の仕事も。とにかく雇って貰えるように努力するわ(笑)。
—あなたはいかがですか?「ゲーム・オブ・スローンズ」の後、どのようなご予定ですか?
NCW:同じだ。
—同じなのですか?
NCW:そう。
GC:死が訪れるまで、意義のあるやり方で、ね。これには大いにプレッシャーを感じるわ。
—終わってしまうのが寂しいと感じられますか?
NCW:いや、寂しいだなんて全く感じないよ。
GC:(爆笑)そう、言っていなさいよ。
NCW:もちろん、このような人たちとの時間を恋しく思うのは確かだ。このシリーズのことは誇りに思っている。君たちのような人がまだ取材に来てくれるようなタイミングで作品を終えることができたのは嬉しいことだ。あと3年も続けていたら、きっと2人位しか来てくれなかっただろう。このような作品の一員だったことを誇らしく思うよ。クリエイターのダン(D・B・ワイス)とデヴィッド(・ベニオフ)は、誘惑に負けることなく、志を貫いた。もう1シーズンやればきっと田舎に小さな家が買えただろうに、ね。
GC:私が聞いたのは、惑星が1つ買えるということだけど。
NCW:ああ、惑星ね。
GC:銀河系らしいわよ。
NCW:あと4シーズンをやれば、だろう?銀河系の彼方。脚本を読んで、撮影した後、シリーズの終わり方として、あれ以上素晴らしいものはできなかっただろうと感じた。今の作品の規模に合わせたやり方だったというのが、正直なところだ。撮影のスケール感という意味でも、あれ以上のことは到底できなかっただろうね。最終章はスケールが最大級だ。どんな映画よりもずっと大きい。これでおしまいだが、最高の気分だ。だから僕は悲しくなんてない。誇らしく思うね。
—作品の規模で言うと、この作品にはファンが大勢いますし、ファンのひたむきさは世界中の何にも代え難いものがあります。献身的なファンのいる作品の一員となるというのはいかがだったのでしょうか?
NCW:謙虚な気持ちにさせてくれたよ。献身的で僕以上にこの作品のことを良く知っている人たちに出会うというのは、とても興奮するものだ。情熱というのは興奮するものだね。それがガーデニングであれ、この場合はTVシリーズであれ、どんなものに対してであっても、爽快な気分だよ。僕はそういうのにとてもワクワクするんだ。人に出会うと、「ああ、ジェイミー!」という風にキャラクターとして呼びかけられるんだ。僕自身に対してではないということは、分かっている。多くの人に喜びを与えられる作品の一員だというのは素晴らしいものだね。単なるTVシリーズに過ぎないわけだが、それでも楽しいよ。僕たちがやっているのはまさにそういうことで、素晴らしいストーリーを語りたいわけだ。これは娯楽作品で、上手くやれば、例えばタースのブライエニーのようなキャラクターでは更に別格の楽しみを提供することができる。さっき君が言ったように、彼女のようなキャラクターは稀だからね。
—ということは、「ゲーム・オブ・スローンズ」はあなたにとって1章の完結というだけでなく、どんどん狭くなっていくテレビ業界において、最後のコンテンツ番組が幕を下ろすものだと感じられますか?
NCW:次が出てくるまでは、ね。
GC:いいえ。それによってまた扉が開かれるのだと思うわ。「ゲーム・オブ・スローンズ」が出てきてからというもの、今では様々なプラットフォームがある。HBOはテレビ業界でその信念を貫き、芸術性の高いプラットフォームであるけれど、今では数多くのプラットフォームが存在する。テレビを観る手段にも様々なものがあり、有料テレビだけではなく、複数の方法がある。数多くの番組が出てきて、熱狂的な人気を得て、初めて会う人や席が隣通しになった人、初めて一緒に仕事をする人との会話でも何のドラマを観ているかについて会話することがある。例えば10時間とか、70時間とか、長い期間に渡り「『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』をイッキ観したんだよね」などという話になる。
「ゲーム・オブ・スローンズ」が成し遂げた偉業のもう1つは「慣例にとらわれない物語」であるということだった。主役を最初のシーズンで殺してしまうと決めたこの作品に私はショックを受けたのと同時に、嬉しくもあった。最高に反体制的だと感じたの。そういった反体制的な手法こそが、私がこの作品に出演するのが嬉しい理由だった。それは様々なドラマ、映画で異なる方法で行われている。我々が娯楽を消費する景色全体が変わっていったからね。
—あなたの「ゲーム・オブ・スローンズ」ベストエピソードとは?
GC:私は第三章が大好きなの。ニコライと共演していたし、私にとって2回目のシーズンだったから。それまでドラマの仕事をしたことがなく、ドラマでの演技ということでは、経験がそれほどなかった。だから第二章ではシーズンを通していろいろ試してみたの。ブライエニーはキャラクターとして大きく変貌を遂げたけれど、それまで私はあのように変化していくキャラクターを演じたことはなかった。コントロールするよう努力し、統合していかなければならなかった。そして第三章では、ジェイミーとブライエニーの素晴らしいキャラクターのストーリーを掘り下げていき、 私よりずっと経験豊かな尊敬する相手(ニコライ)と仕事する機会を得たの。そして私を悩ませるというわけ(笑)。
NCW:それは世のためだ。
GC:そして一番楽しかったのよ。残念ながら具体的にどのエピソードだったかは覚えていないのだけれど、バスタブのシーンね。ニコライがあの物語を語るシーンの演技を見ていたのだけれど、あれは極めて重要な分岐点だったわ。私にとってマスタークラスだった。胸躍るシーンで、私はそれを見せてもらえて光栄だった。
NCW:君はなんで今日僕に優しいの?
GC:私は他の役者との経験がほとんどなかったからよ(笑)。あれは素晴らしいシーンだったわ。そして自分がその一部となれたというのがとても幸運だと思った。
—あなたはいかがですか?
GC:第三章ではないでしょう。
NCW:君に同感で、第三章は素晴らしかった。それがこの作品ならではなんだが、クマの檻に飛び込むシーンが演じられるなんて他にある?あれはクレイジーだったね。もちろんベルファストで撮影した時は、クマはいなかったが、ロサンゼルスに行ったら、クマのバートに会ったよ。
GC:そう、バート2世ね。
NCW:そう、バート2世だ。彼の方が主役気取りだった。本物のクマと撮影したんだよ。
GC:そうだったわね。なんでも言えたはずなのに、よりによって「君を一日中辱めることができるのは良いね」なんて言うのよ。
NCW:あれは良かったよ。
GC:あなたが実際に言ったことよ。
NCW:僕はメソッド俳優だからだ。キャラクターであり続ける。
GC:あなたはそうだった。
—撮影最終日はいかがでしたか?
GC:あなたの最終日はどうだったの?あなたにとってはいかが?
NCW:素晴らしかったね。僕にとっては良かった。いや、本当にそうだったんだ。実際あれは僕にとって「ゲーム・オブ・スローンズ」が終わるには最も相応しいやり方だったんだ。驚異的なセットで素晴らしいシーンだったよ。天気の良い日でもあった。北アイルランドは、雨が降って気が滅入ることも多いが、あの日は快晴で、最高だった。そして遂に終わりがやって来た。これまでキャストの多くが最終日を迎えるのを見てきた。多くの人々が涙を流し、お別れの挨拶をしているのを見てきたんだ。僕は「感情的にはなりたくない!」と思っていたが、なぜそんな風に思ったんだ?素晴らしいものが終りを迎えた。最高だったが、うーん、どうだろう。あの日僕はアレルギーに悩まされていて、目が潤ってしまったんだ。
GC:あなたが泣いていたのを私は知っているわ。
NCW:泣いてなんかいないさ。
GC:泣いていたのを知っているのよ。
NCW:泣いていないって。
GC:泣いたのは分かっているわ。
NCW:泣いていない。泣いていない。
GC:分かっているって。
NCW:絶対にそれはない。
GC:自分が泣いたのにイラッとしているのね。
NCW:君はどのくらいの時間、泣いていたの?
GC:2時間よ。私は2時間ずっと泣いていたわ。止まらなかったの。ヘアメイク用の部屋を占領していた。
NCW:情けないな。
GC:衣装部にも「彼女はまだ泣いている」と言われた。車の中でも一緒に乗っていた人に「グェン、もう泣き止んだ?」と言われた。私はとにかく酷い有様だった。自分には「大丈夫よ」と言い聞かせたの。
NCW:あの後、君に話しかけたんだけど、その時もまだ泣いていたよね。
GC:そう、また泣いたわ。泣いた後、少ししてまた泣いたの。その後、更にまた泣いた。でもそうやってスッキリさせたと思うわ。
NCW:そうなの?出し切った?
GC:あれ以上泣けなかったもの。涙をすべて出し切ったと思うわ。こういう感情は抑えてはいけないもの。重要なことよ。
NCW:そうだね。
GC:何時間もずっと泣き続けて、すべてを出し切るのが重要なの。
NCW:きっと僕も突然それに襲われるのだと思う。突然、泣き崩れる。
GC:多分、今日ね。
NCW:今日ということは十分あるね。
—本作に出演中、秘密を守るというのはいかに大変なことだったのでしょうか?
NCW:僕たちが「これは言えるけど、それは言えない。これだけは言っても良い」と言われていたら、多分大変だっただろうけれど、一切口外してはいけないと言われていたので、それほど…。
GC:実は私と他者との関係を大きく変えるものとなったの。変わっていったと思う。仕事場でのことを話さないとなると、相手のことを聞いてあげることになるので、ポジティブなことだと思うの。より相手のことに耳を傾けることになった。そして自分より他人のほうがより面白いということに気づいたの(笑)。だからそういう意味ではとても有効だったの。
—「スター・ウォーズ」シリーズと「ゲーム・オブ・スローンズ」ではどちらがより秘密主義ですか?
NCW:どちらかを選んで。
GC:最終的には「ゲーム・オブ・スローンズ」はあの秘密主義レベルと同格になったわね。
—10年後、20年後にも「ゲーム・オブ・スローンズ」は人々の記憶に残ると思いますか?
GC:とても興味深い質問ね。本当に分からないわ。時が経つと私達の感じ方は変わっていくものだから。
NCW:『トリビアルパーシュート(雑学クイズ)』に出てくるだろう。「オスカーを何度も受賞している女優、グェンドリン・クリスティーの最初の役は何だったでしょう?」などというものだろう。
GC:(爆笑)そうだったら良いけど。ありがとう。このように人気に火が付き、誰もがその虜になるというのを目の当たりにするのは興味深いものね。それが続いていくかどうかを見守っていくのも面白いわ。でも私にとってこの作品には初めての事が多かった上、脚本も素晴らしかったと思わざるを得ないわ。原作もすべて素晴らしかった。デヴィッドとダンの脚色も素晴らしく、彼らがこのシリーズにもたらしたものは類稀なものだった。だから社会現象ということだけでなく私達の人生にいかに影響を与え続けるかというのを今後も見守っていきたいわ。
—ジェイミー・ラニスターはこの作品で最も変貌を遂げたキャラクターではないかと思いますが、このキャラクターのどのような側面が演じ甲斐がありましたか?
NCW:彼が手を失ってからが興味深かった。彼が自分を生まれ変わらせようとしているのが良かったね。あの期間、彼にどう影響を与えたのかというのが面白い。そして最終章では、もちろんジェイミーとティリオン兄弟の関係性もあるし、ブライエニーと、そしてサーセイとの関係など色々あったからその中で最も興味深いことを選ぶのは難しいものだ。最終章は良かったよ。
—グェンドリンさん、日本のファンの人気投票で、ブライエニーはデナーリスとジョン・スノウに次ぐ第3位となったのですよ。おめでとうございます。
GC:本当?うわーっ!ヤッター!遂に成功ね!ありがとう。本当にありがとう!
「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」
12月4日(水)ブルーレイ&DVD 発売!
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 ブルーレイ コンプリート・ボックス ¥11,818 +税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 DVD コンプリート・ボックス ¥10,000 +税
■レンタル ブルーレイ&DVD Vol.1~5 ※Vol.1 のみ2話収録
「ゲーム・オブ・スローンズ」コンプリート・コレクション&コンプリート・シリーズ 12 月4日(水) ブルーレイ&DVD 発売
■【300 セット限定生産】特別仕様 豪華ボックス ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・コレクション ¥72,727+税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・シリーズ ¥42,727+税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> DVD コンプリート・シリーズ ¥34,545+税
<ゲーム・オブ・スローンズ 公式サイト>
http://www.gameofthrones.jp
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
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※R-15:本作には、一部に15 歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています。