「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」発売記念カウントダウンインタビュー<第6回>アイザック・ヘンプステッド・ライト編

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海外ドラマ史上最高傑作と称された「ゲーム・オブ・スローンズ」。今年2019年12月4日(水)には「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」のブルーレイ&DVDが発売、同日には、特別仕様 豪華ボックス コンプリート・コレクションも発売されます。
この発売を記念して、キャストのスペシャルインタビューを毎日お届けする「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」カウントダウン・インタビュー企画。六日目となる今回は、ブラン・スタークアイザック・ヘンプステッド・ライトのインタビューをお届けします。

—「ゲーム・オブ・スローンズ」のために一時大学を休学されていたそうですが、もう復学されたのですか?
まだなんだ。

—そのおつもりなのですか?
そうだよ。

—数学と音楽を専攻されていたのですよね?
そう、僕の専攻はちょっと変わっているんだ。

—演技のキャリアはいかがですか?今後も続けていかれるおつもりですか?
続けていくつもりだ。今はちょっと不思議な時期なんだ。人生の中で大きな部分が終わった。一生かけての仕事のように思えたものが終わってしまったばかりだが、それでもまだ20歳だ。「この先何を目指せば良いのだろう?どのようにして次にやることに飛び込んでいったら良いというのだろう?」などと思うけれど、自分の立ち位置や今後の目標を模索するのを楽しんでいるよ。「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演中は他の演技のお仕事はあまり出来なかったから、これから独自のスタイルを確立させ、他にやりたい仕事を見つけていこうと思う。

—本作の共演者たちと今でも連絡を取り合っているのですか?
そうだよ。

— 一緒にどんなことをなさるのですか?
いつも遊びに出かけるわけではないが、定期的に会っている。トメン(・バラシオン)役のディーン=チャールズ・チャップマンは第六章まで出演していたが、僕の大親友で、数週間に一度は会っている。

—シリーズを通してのベスト・エピソードは?
「落とし子の戦い」(第六章第9話)を超えるものはなかなかないだろう。あのシーンのスケール感、カメラワークは素晴らしい。まるで自分も戦の中心にいるかのような錯覚に陥り、史上最高の合戦シーンではないかと思うね。ただ、「ゲーム・オブ・スローンズ」にはあまりにも多くのベスト・エピソードがあるんだよね。

—ご自分が出演されている回ではいかがですか?
第六章 第5話「扉」のエピソードはテレビドラマ史上最も感動的で切ないシーンだった。ブランに仕えるためにだけ生きていて、最後にブランを救うという、自らの犠牲を厭わない行いをするキャラクターの悲劇的なバックストーリーが明らかになるまさに古典的な「ゲーム・オブ・スローンズ」の瞬間だった。そのエピソードが公開になった時、それを観て、「僕は何が起きるかすべて知っている。きっと感極まってしまうだろう」と覚悟はしていたが、涙が出てきたよ。胸が張り裂けそうだった。

—あなたのキャラクターは、最初のエピソードから大きな変化があり、目立たないキャラクターからウェスタロスにおける最もパワフルな存在にまで発展しました。ご自身のキャラクターのそのような側面はいつ頃お知りになったのですか?最初からご存知だったのでしょうか?
いやいや、シーズンが展開していくにつれて、「ブラン、君はいつかすごいことをやることになるだろうね」とはずっと言われていたけれど、こんな風になるなんて夢にも思っていなかった。第七章の脚本を読んだ時、「うわ、これはこれまでとは違うな。これまで自分がやってきたことどれにも当てはまらないことだ」と思い、心から興奮するチャレンジだと感じたものだ。そのために長い間ずっと準備をしてきたわけで、第三章、第四章の辺りでそのヒントは窺える。

—ブランがブランでなくなり、三つ目の鴉となった時、向き合い方をどう変えていかなければならなかったのでしょうか?
あれはちょうど僕が大人になった時期とかぶっていたので、なかなか良いものだったよ。この役で面白いことができ、全く異なる人間を創ることができるのだと感じ始めた時だった。それまでは自分を大きく変えることは必要なく、子供が子供を演じていた。ティーンエイジャーがティーンエイジャーでいるだけだったんだ。だからそれは全く別の人間を創造し、演技をするという真の機会だった。特にそれをあんな興味深いキャラクターでやることができ、すべてを熟知して、悟っている神秘的な人を演じるというのは、なかなか楽しいことだった。権力の誇示みたいなところもあったね。

—誰もが知りたがっていると思うのですが、ブランはその力で他人のことを盗み見するのでしょうか?
ちょっと、ブランを一体どんな人間だと思っているんだい(笑)?彼は動くことが出来ないので、そんなことはやっていないよ。

—最終章の前に第一章から第七章までを復習するにあたって、どこに注目して観るべきでしょうか?
実は僕は撮影中に観ようとしたんだが、第二章で止まってしまった。そこから再開し、終わりまで観なければならない。他の何よりも、役者たちがいかに進化していったかというのを観るのが最高に喜ばしいことだと思う。ブラン、アリア、サンサ、ジョン・スノウといった人たちのことを考え、一生、冥夜の守人(ナイツウォッチ)と一緒に遊ぼうと思っていた目立たない子供が、ウェスタロス史上最も重要な瞬間で中心人物のひとりとなっている。僕がまた観直そうと思った理由はそれだった。最終章で起きていることだけを見て、素晴らしいキャラクターの面々の結末を見ると、ストーリーラインがいかに上手くできているかというのには驚愕する。彼らは単にキャラクター、画面上のピクセルというのではなく、感情移入し続けてきた実際の人物たちであると感じる。納得するストーリーなので、彼らの生い立ちを観るのは良いものだよ。

—撮影最終日はいかがでしたか?
悲しかった。泣いてしまったよ。自分でも泣くとは思っていなかったんだけれど、大泣きした。「僕はどう感じたら良いんだ?これは重要な瞬間だ。何かを感じていなければおかしい」という瞬間は不思議なものだね。そうやって自分を少し追い込んでしまうというところがあるものだ。それはともかく、素晴らしい終わり方だったね。

—あなたのキャラクターは前日譚があるとすると出演できる唯一のキャラクターではないかと思います。彼は時を超えて旅をすることができますからね。
そうかもしれないね。それはどうだろう。

—時を超えて旅をすることについてですが、ブランについて様々な説がファンの間で囁かれています。そういうのをお読みになりますか
そうだね。インスタグラムに僕が何かをアップする度に、「君は夜の王なの?」と質問が殺到する。「夜の王よ、元気かい?」とか「お前は本当に夜の王なのか?」とかね。でも、それだけ人々が情熱的に語ってくれるというのは嬉しいものだよ。「ゲーム・オブ・スローンズ」は日曜日にチャンネルを合わせて何も考えないで気軽に観られるというようなものではない。文字通り人々が人生をかけているようなドラマだ。いろんな持論を展開し、僕たちの演技についても真剣に考えてくれているというのは、格別なものだよ。

—三つ目の鴉の伝説について掘り下げていかれたりされましたか?
少しね。彼はブラッドレイヴンか何かなのだろう?

—きっとあなたの方がお詳しいのではないかと思います。
ドラマは原作とは少し異なるので、そのような伝説がどれだけ関係しているかは分からない。僕はまだ原作を読んでいないけれど、撮影が全て終わり、僕たちがどう完結したかが分かった今、是非読んでみたいと思うんだ。ジョージ・R・R・マーティンの頭の中に入り、彼が自分の創る「ゲーム・オブ・スローンズ」の世界をどのように見ていたのかというのを知りたいものだね。

—彼とはお話しされたことはありますか?
何度もあるよ。とても善い人だね。彼は現代のトールキンで、現代文学のアイコンなんだ。

—彼はセットにやって来られたのですか?
そうだよ。原作を執筆しているところだから、以前ほど頻繁にではないけれどね。

—彼がブランについて言ったことで、あなたが演じる際に大切だったことは何か覚えていらっしゃいますか?
いや、特にはないんだ。脚本があるので、彼はある意味、敢えて距離を置こうとしていた。デヴィッド(・ベニオフ)とダン(D・B・ワイス)の演技指導が僕たちにとっての聖書だったよ。ジョージのところに行って、「僕はブランのことをよく理解していると思うんだ。彼のこういうところを描くべきだ」なんて彼に言うことはしない。だから彼も僕たちに対してそんなことはしないんだ。「第五章: 竜との舞踏」での展開について出版前に彼が僕に話してくれたことがあったんだけれど、あれは嬉しかったね。それについては秘密だけどね。

—過去8年間で、「ゲーム・オブ・スローンズ」がいかに大きなものかということを実感された瞬間はありましたか?
特に去年だね。終わってみてこれが一生に一度の経験だと実感し、不思議な気持ちだったよ。こんなことが起きるというのはかなり可能性が低いことだったはずで、信じられないことだ。特に覚えているのは、第五章で僕の出番がなくオフだった時のことだ。一度離れて、少し距離を置いたことによって初めて様々なところでドラマについて話されているのに気づいた。人々が色々なところで話していて、僕もこの先何が起こるかわからないので興奮したよ。「これは特別なドラマだ。類まれなことなんだ」と実感した瞬間だったね。

—振り返ってみられて最も大変だったのはどの章、シーンでしたか?
これまでとは全く異なるキャラクターだという意味で、第七章は大変だった。僕自身と重なる部分がブラン・スタークには多くあるけれど、三つ目の鴉には全く無いので、彼の声を見つけ、心境を理解しようとした。三つ目の鴉にはすべてが見える。そういうキャラクターはとてもつまらない一本調子のキャラクターになってしまいがちだが、彼の内面にある神秘性が陳腐にならないようにしながら、物静かで掴みどころのないように演じるのが大切だったんだ。

—幼い頃から俳優の仕事を始められたわけですが、初めてもらったお給料はどのように使われましたか?
初めての給料は自分の思い通りに使っていいという約束を両親としたんだけど、「ゲーム・オブ・スローンズ」の数ヶ月前にコマーシャルの仕事をしていたので、その時の給料しか使えなかった(笑)。それでもありがたいと思ったよ。すべて貯金したんだ。

—第五章でお休みだった時は、プロダクションから完全に隔離されていたのですか?
そうだ。

—ということは、第五章はファンとしてご覧になっていたのですね?
そう、たった一人で観ていた。

—1シーズン離れていた後にまた復帰するというのはいかがでしたか?
実はとても怖気づいた。特に第五章でドラマの人気が爆発して、それを外から見ていたので、その後僕が復帰した時は、まるでそれまでとは全く違うセットに戻ったかのように感じたよ。その1年間、学校でたくさん試験があったので、演技の仕事はしていなかったから、「これってどうやってやるんだっけ?」と思った。初日のことはよく覚えている。「演技の仕方を忘れてしまった。もう僕にはできない!」なんて焦ったんだ。それでも自然と戻っていけたので良かったよ。

—ご自分が演じた役の他に演じてみたかったのはどのキャラクターですか?
実はジェイミーを演じてみたかったんだ。これは物議を醸す選択であることは分かっているが、それは彼には素晴らしいキャラクターの内面的な変化があるからなんだ。最初のエピソードから彼は子供殺しで妹を犯す酷いやつだと思われていて、当初から悪役の1人だと認識されていたのに、彼の道徳心はどうなっているのかをだんだん疑問に思うようになり、彼は善人なのか悪人なのかと考えるようになっていった。彼が手を失ったのは、ブランが歩けなくなったのと同様、鍵を握る部分なので、それは興味深いと思う。その2つの物語には奇妙な類似点があるんだ。それから僕は剣で戦いたかったとも思うんだよね。

—あなたには弓矢があったじゃないですか?
確かに弓矢はあった。あれは楽しかったよ。それが続いたうちは、ね。

—足が不自由となったのは、演じる上で大変でしたか?
いや、面白いもので、それについてはよく聞かれるのだけれど、ただじっと座っておけばよかったんだ。ブランがとても肉体的なキャラクターでずっと動き回るのだとしたら、その後そういうのを巧く演じるのは難しかったかもしれない。でも、彼は三つ目の鴉だから、とても静かで動かないというのが合っているんだ。だからあまり大変ではなかったね。

—第一章であの窓までよじ登っていくのは楽しかったですか?
ああ、あれはとても楽しかったよ。

—どうやって撮影されたのですか?
すべてワイヤーを付けてやった。中には実際にお城の壁でやった箇所もあった。少し駆け上がっていくところはそうだったけれど、それ以外は(スタジオの)ステージなんだ。全く経験のない10歳の子が、馬に乗ったりカッコいいお城によじ登ったりできるのは「これって楽しい!」と思ったよ。

—子供の頃のご自分を振り返ってご覧になりますか?それは結構、気まずい体験なのでしょうか?
いや、どうだろうね。10歳の頃からずっとスクリーン上の自分を見るのはなんともないので、慣れてしまったよ。今のほうが自分自身を観るのが難しいね。幼い子供の自分を観る方が「これは自分ではない。自分だとは感じられない」と思えるので楽だよ。

—デヴィッドとダンはシリーズを通してどのように変わっていかれましたか?ドラマがいかに大人気を博しているかということによって自信をつけられていったのでしょうか?
そうだね。そう思うよ。きっと僕がこう言うのは構わないと思ってくれると思うが、最初はただこの作品が大好きで、何かに発展させていきたいと願うオタクだったと思う。でも今では2人はロックンロール・スターみたいだよね。『スター・ウォーズ』までやるんだから…。彼らのすごいところは、2人はまったく変わっていないこと。ハリウッドのプロデューサー風にはなっていないんだ。以前と何ら変わらないんだよ。僕は特にダンと仲が良いんだが、一緒によく音楽の話をする。彼は素晴らしいピアニストで、そういう話をセットでいつもしていたね。これは僕が勝手に思っているだけかもしれないけれど、彼ら自身がメガホンを取るようになってからというもの、より彼らの関与する部分が大きくなっていったのだと思う。ヴィジョンを創った人たちと直接触れ合うことができるというのは楽しいことだったね。

—あなたは最近ミュージック・ビデオに出演されましたよね?
そう2つほどやった。友達のフォールズのためにやったよ。

—どのような楽しみが得られるのですか?
彼らは僕の良い友達なんだ。ある日、パブに一緒にいて、「君たちのミュージック・ビデオに出演しようか?」という話になった。そこでその週、一緒にブダペストに行ったんだ。彼らの音楽の大ファンだから、そういうのを一緒にやるのは大好きだよ。あれはカッコいいミュージック・ビデオだ。

—ご自分でも楽器を演奏されますか?
そう、ピアノとギターを弾く。

—「ゲーム・オブ・スローンズ」はいつもあまりファンタジー作品は観ないという人にも人気ですが、このジャンルはいかがですか?ご自分でもファンタジー・ファンでいらっしゃるのでしょうか?
いや、それはまったくないんだ。『ロード・オブ・ザ・リング』も観たことがない。

—なかなか良いですから、ご覧になると良いと思いますよ。
かなり長いよね。うーん、あまりファンではないんだ。僕が出演していなかったとして、誰かに「ゲーム・オブ・スローンズ」は良いから観たほうが良いと言われたら、「本当?」と言って観るだろうね。そして「なんと、これはすごいじゃないか」となるだろう。「ゲーム・オブ・スローンズ」はそういうところがあるドラマなんだ。

—多くの人を魅了する理由は何だと思われますか?
その答えが分かっていたら、誰もが「ゲーム・オブ・スローンズ」のような作品を作っているだろう。それはともかく、ジョージ・R・R・マーティンが生んだ世界という素晴らしい出発地点となる素材があるということが大きいだろうね。彼はただ物語、そしてその物語の中のキャラクターたちを作ったに留まらず、長い歴史のあるとてもリアルな世界、そしてそこに織りなすキャラクターたちを創ったんだ。キャラクター達は彼にとってまるで自分の子供達のようなものに違いない。彼が長年一緒に時を過ごしたリアルな人間達で、彼はその物語、声を探そうと何年もの年月を費やしてきたんだ。だからこそ、僕たちはそのリアルだと感じられる歴史の物語の中から、最高のテレビの素材を選ぶことができた。しかし、その裏側には、ファンタジーの世界でありながら、特定の時代、ジャンルと結びついているわけではないので、実在すると感じられる世界、説得力のあるキャラクターが功を奏して人々を虜にするのだと思う。そして「これまでにこういう事が起きました。その後はこうなります。そして彼は幸せに暮らしましたとさ」というふうには決してならず、いつも予測不可能で、人の心を掴んで離さないんだ。

「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」
12月4日(水)ブルーレイ&DVD 発売! 

■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 ブルーレイ コンプリート・ボックス ¥11,818 +税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 DVD コンプリート・ボックス ¥10,000 +税
■レンタル ブルーレイ&DVD Vol.1~5 ※Vol.1 のみ2話収録

「ゲーム・オブ・スローンズ」コンプリート・コレクション&コンプリート・シリーズ 12 月4日(水) ブルーレイ&DVD 発売


■【300 セット限定生産】特別仕様 豪華ボックス ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・コレクション ¥72,727+税


■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> ブルーレイ コンプリート・シリーズ ¥42,727+税
■【初回限定生産】ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章> DVD コンプリート・シリーズ ¥34,545+税

<ゲーム・オブ・スローンズ 公式サイト>
http://www.gameofthrones.jp 
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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※R-15:本作には、一部に15 歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています。

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