長編でお送りしてきた旅BLOG「シルクロード特集」も、最後はいよいよ敦煌市の「莫高窟」。
敦煌には、
朝は綿入れを着、
昼は薄物を纏い、
夜はストーブを囲み西瓜を食べる
という言葉があるそうだ。
それくらい1日の気温の変化が激しい土地ということで、確かに3月下旬とはいえ、
朝はダウンジャケットを着なければまだま寒い。
この日は晴天に恵まれ、本当にありがたかった。これが一番良く目にするスナップだ。莫高窟のシンボルともいえる九層楼。
早朝なので、まだ観光客がほとんどいない。ラッキーすぎる。早起きは三文以上の得だ。なんて壮大で美しい岩壁だろう。
莫高窟に観光に訪れた際、どの窟を見学するのかを自由に選ぶことはできない。訪問したその日によって公開される窟は変わる。観光客の人数や外気環境によって調整をしているのだという。
そして何よりもびっくりしたのは、窟の中の壁画や仏像の変色を抑えるため、二酸化炭素の量を調節しなければならないということだった。外気の測定器も置いてある。
私達観光客から排出される大量の二酸化炭素、それが原因で遺跡が変色してしまうなんて!
案内をしてくれた研究員さんは、「今はきちんと管理されていますから大丈夫ですよ」とニコニコ話してくれたが、なんとも申し訳ない気持ちになった…。
寺院や仏像を観てその素晴らしさに感動することはあるが、莫高窟は、壁の中にその像や壁画が存在しているという点で、これまで見て来た仏教の歴史建造物と違う。外壁はこのようにただの土壁となっているが、扉の奥、窟の中は別世界へと繋がっていた。その数、大きさ、絢爛さ、洗練された壁画や仏像の姿、全てに圧倒された。
残念ながら、窟の中は全て撮影禁止のため、ここで公開することはできない。行ってその目で確かめるしかないのだ。
ギフトショップで、「敦煌石窟【日本語版】」が販売されているので、それを買うことを強くおすすめしたい。
とてもぶあつくヘビーだが、全てカラー写真で、観て来た窟の情報が載っているので、帰って来てから大変得した気分になる。
現在、493窟あるとされる莫高窟の窟の中で、今回私達視察団が見学できたのは、第96窟、第148窟、第61窟、第57窟、第45窟、第16‐17窟であった。
とても1日、2日で見きれる量の遺跡ではない。ここに魅せられ、研究員になる人たちの気持ちは良くわかる。
もしできることなら、もう少しこのだけでいいのでこの悠久の土地にとどまっていたかったが、いたずらに二酸化炭素の量を増やすわけにもいかないし、飛行機の時間も差し迫っていたので、「きっとまた来るよ!」という気持ちを胸に、敦煌市「莫高窟」を後にした。
「敦煌」という響きは、「シルクロード」という言葉とともに、これからも歴史のなかで、人々に憧れを残していくに違いない。
今回のツアーでガイドをしてくださった皆様、視察ツアー主催の皆様にあらためて、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。我的心中充满了感激!
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