朝の点心から夜の一杯まで。香港・中環「オールド・タウン・セントラル」を地元気分で歩く

香港のイベントリリース

朝の点心から夜の一杯まで。香港・中環「オールド・タウン・セントラル」を地元気分で歩く

香港を旅するとき、つい「何を見るか」を先に考えてしまう。けれど香港の面白さは、有名な観光名所だけにあるのではない。朝の茶餐廳、坂道に漂う料理の匂い、古い建物の壁に描かれたアート、そして夜になると灯り始める小さなバー。街を歩くうちに、予定していなかった香港に出会えることがある。

香港政府観光局は2026年8月19日、中環(セントラル)の歴史やアート、食文化を地元の人のように楽しむ「オールド・タウン・セントラル」の新たな地域体験を発表しているので、こちらで紹介しよう。

舞台となるのは、世界最長の屋外型全天候エスカレーターとして知られる「セントラル・ミッドレベル・エスカレーター」周辺。東洋と西洋、古い香港と新しい香港が折り重なるこの地域を、4つのテーマに沿って巡ることができる。

中環の坂道を、4つのテーマで歩く

用意されたテーマは、「オールド・タウン・シグネチャーズ」「オールド・タウン・レガシー」「ネイバーフッド・テイスト」「アート&ソウル」の4つ。

「オールド・タウン・シグネチャーズ」では、昔ながらの生鮮市場や文武廟、本場の大牌檔(ダイパイドン)、露店が並ぶ摩羅上街(アッパー・ラスカー・ロウ)などを巡る。香港に残る数少ない伝統製法の醤油醸造メーカー「九龍醤園」も、この街の味の記憶を伝える場所のひとつだ。

歴史をたどりたい人には「オールド・タウン・レガシー」。花崗岩の階段で知られる砵甸乍街(ポッティンジャー・ストリート)、旧警察署や刑務所などを再生した複合アート施設「大館(タイクン)」、伝統的な唐樓(トンラウ)建築を巡りながら、香港の過去と現在を立体的に感じられる。

「アート&ソウル」では、荷李活道(ハリウッド・ロード)周辺のギャラリーやウォールアート、若いクリエイターが集まるPMQ、永利街や太平山街などを散策。歴史ある街並みの隙間から現代の感性が顔を出す、中環らしい風景に出会える。

注目したいのは、やはり「ネイバーフッド・テイスト」

そして、食を通して街を知りたい人にぴったりなのが「ネイバーフッド・テイスト」だ。

中環では、朝の点心と中国茶から一日を始め、地元のベーカリーや涼茶舗をのぞき、夜には評価の高いレストランやカクテルバーへ向かうことができる。わずかな距離のなかに、庶民的な麺の店と世界的なレストラン、昔ながらのお茶と革新的なカクテルが同居している。それこそが、香港の食の面白さだと思う。

陸羽茶室、一樂燒鵝、泰昌餅家、Bakehouse、公利真料竹蔗水、麥奀雲吞麵世家(Mak’s Noodles)など、多彩な店が紹介されている。朝食、ランチ、お茶、夕食、そして食後の一杯まで、時間帯に合わせて店を選びながら歩ける構成だ。

観光地を次々に制覇するのではなく、お茶を一杯飲み、麺を食べ、また坂道を歩く。途中で気になる店に立ち寄り、夕暮れを待つ。そんな少し余白のある過ごし方こそ、中環には似合う。

香港の食文化を一杯にした限定カクテル

今回の企画では、中環の14軒のバーが「Old Town Exclusive Cocktails」を期間限定で提供する。

なかでも興味深いのが、バー「001」の「Canton Bazaar」。スモーキーなウイスキーにトマトと魚介のうま味を合わせ、中環街市の乾物店を表現した一杯だ。添えられた乾物のようなガーニッシュまで含めて、香港の市場をカクテルに移し替えたような佇まいである。

 

「The Opposites」の「Taro Irish Coffee」は、広東のデザートで親しまれるタロイモとタピオカから着想を得たカクテル。ウイスキー、コーヒー、ほうじ茶、アマーロに、塩味をきかせたタロイモとココナッツのクリームを重ねている。昔ながらの香港の味が、夜の一杯へ大胆に姿を変える。

料理を食べるだけでなく、その街の歴史や暮らしを「飲む」。香港のバー文化が世界から注目される理由を、こんな一杯から知ることができそうだ。

ARガイドで、街に暮らす人の声を聞く

街歩きには、スマートフォンで利用できるインタラクティブなARウェブアプリも登場した。主要スポットで起動するとデジタルコンテンツが表示され、音声を通じて、老舗テーラーの創業者、カクテルバーの共同創業者、涼茶店の4代目店主、麻雀をテーマにした土産店の共同創業者らの物語を聞くことができる。

建物の説明を読むだけでは見えてこない、店を守ってきた人や、新しい文化を生み出す人の声に触れられるのがいい。街は建物だけでできているのではなく、そこで暮らし、働く人たちによってつくられている。そのことを思い出させてくれる仕掛けだ。

旅の記念になるマップと限定ピンバッジも

現地では、香港の道路標識を思わせるデザインの無料「Old Town Map」を配布。対象店舗で同日に1回の会計につき200香港ドル以上利用した旅行者には、5種類の限定「ストリート・サイン・ピンバッジ」から1つがランダムでプレゼントされる。

ピンバッジ企画は2026年7月27日から9月30日までで、なくなり次第終了。限定カクテルは店舗ごとに提供期間が異なり、「Taro Irish Coffee」は2026年11月2日まで、「Canton Bazaar」は2027年8月6日までと公式サイトに掲載されている。訪問前に最新の提供状況を確認しておきたい。

観光名所?、Non-Non!  街そのものを味わう香港へ

中環は、近代的なビルが立ち並ぶ香港の中心地でありながら、一本路地へ入れば市場や寺院、古い階段、茶舗、麺店が現れる。さらにその先には、現代アートや世界水準のバーがある。

古いものを保存して眺めるだけでも、新しいものへ置き換えるだけでもない。古い香港の記憶の上に、新しい感性が日々積み重なっている。それが「オールド・タウン・セントラル」の魅力なのだろう。

次の香港旅行では、目的地を一つ減らして、中環をゆっくり歩く時間をつくってみたい。朝のお茶から夜のカクテルまで、坂道を上り下りしながら出会う味と風景。その一日そのものが、きっと香港らしい旅の思い出になるだろう。

開催・利用情報
企画名:オールド・タウン・セントラル(Old Town Central)
エリア:香港島・中環(セントラル)、セントラル・ミッドレベル・エスカレーター周辺
ARガイド:香港政府観光局公式サイトから利用可能
限定ピンバッジ:2026年9月30日まで(なくなり次第終了)
限定カクテル:店舗により提供期間・内容が異なります

詳細:香港政府観光局「Old Town Central」公式ページ

Sally.Asia 編集室

Sally.Asia 編集室

Sally.Asia Chief Editor Satoko Otsuka 大手映画配給会社の宣伝業務、海外ドラマNAVI編集長などのコンテンツビジネス業界の経験を経て、現在は薬膳料理家として活動中。アナザースカイは香港。 ・国際薬膳師/ヨガ講師/スマート農業指導士 ・食と身体の調律室オンラインスクール主宰 ・百姓ラボ合同会社共同代表 食とエンタ-テイメントを結ぶ企画など、お気軽にお声掛けくだされば幸いです。

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