「第13回アジア・フィルム・アワード」、『孤狼の血』役所広司特別インタビュー

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2019年3月17日に香港で開催された「第13回アジア・フィルム・アワード」。アジア版のアカデミー賞と称される本受賞式で、俳優の役所広司さんが『孤狼の血』大上章吾役で見事主演男優賞を受賞し、さらに映画会での活躍を称える特別賞エクセレンス・イン・アジアン・シネマ・アワードとのW受賞の快挙となったことは、先日のニュースでもお伝えした通り。今回は、授賞式直前に行われた特別インタビューをご紹介します。

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――意外にも香港は今回がはじめての滞在とのことですが、いかがですか?

最初は、屋台がいっぱいあるようなころ…、返還前ですかね。そういうのをイメージしていましたが…。

まあ、大都会ですよね。

中国本土とは違う雰囲気がありますね。

 

 

――エクセレンス・イン・アジアン・シネマ・アワード受賞の感想をお聞かせください。

「ありがたい!」ですね。日本だけでなく、アジアの様々な国の方々に自分が出演した映画を観て頂いて、それだけでもありがたいことですが、このように評価してもらって、俳優としても40年位やってきましたから、「良くやった」と、褒めてもらえるのは、なんかもう俳優人生も終わりに近づいているようにも思えますけど(笑)。

結局、どのような賞を頂いても「これに恥じないように頑張らないといけない」と思います。それにつきますよね。これをバネにもうひと頑張りできるかな、という感じです。授賞式に参加するということは、あらためて、自分が参加した映画を紹介できるという、スタッフ・キャストを代表してやらなければと思ってやってきました。

 

――『SAYURI』、『バベル』と、海外の作品にも出演されていますが、海外の映画出演についてはどのようにお考えですか?

海外の映画に出ることに関しては、「その国で作っている映画は、どういうもんだろうか?」という興味があって、『バベル』に関してはもう監督のファンでしたし、直々に声をかけてもらったので、台本も見ないうちに「やります」って言いましたね。『SAYURI』の頃は、「ハリウッド映画ってどうやって作っているんだろう? 見てみたい!」と思って参加しました。先日中国の映画にも参加しましたけど、台本読んでみると、「これは日本映画では作れる内容ではないな」、と思いますし、こんなことが映像にできるんだったら、その中で動いてみたいなという気はしましたね。

 

 

 

――『氷峰暴 Wings Over Everest(原題)』の公開が控えていますが、アジア進出したい気持ちはありますか?

昔からそうなんですけど、日本映画で一生懸命作ったものを世界の人が楽しんでくれるというのが一番の近道ではあるし、その方がいいんだと信じています。「映画で繋がりたい」という気持ちはありますね。アジアの中で、悲しい歴史もいっぱいあるんだけど、「映画を通じてお互いの国を理解し合えるようなことが、各国力を合わせてできないかな」って思います。映画祭には、自分たちの作った作品が選出されるわけですから、オリンピックとまでは言わないけど、誇らしい気持ちで参加しますよね。そして、本当に日本映画を愛してる海外のジャーナリストが多いんですよね。それに驚きます。カンヌでもベネチアでも、監督がアーティストとして評価されていて、俳優より監督が大切にされているところが、「あー、いいな、監督はカッコいいな」と思いますよね。日本ではなんとなく、俳優の方が全面に出たりしますけど、監督が、映画作家として評価されているのは、嬉しいですね。

 

 

――『孤狼の血』という映画でノミネートされ、海外の記者からの反応で印象に残っていることはありますか?

『孤狼の血』様様ですよ。白石(監督)様様。本当に。フランスでも非常に人気が高かったですし、この手の作品は東映さんのお家芸ですよね(笑)。深作欣二さんが築いてきた、この“アウトローの世界”というのは、世界中に浸透しているんだなと思いました。それに、みんな好きみたいですね(笑)。『男たちの挽歌』とか、東映のシリーズをみてつくられたんじゃないでしょうかね。香港ではやっぱり人気が高いのはわかります。

 

 

 

――(本作での大上章吾のラストを受けて)『仁義なき戦い』のシリーズのように、もう一回別の役で出演など、そういった可能性は?

それで支障が無ければ出たいですよ(笑)。シリーズとして参加していきたいですね。白石監督が「元気な日本映画を!」と言っていたので、このタイプの映画は在り続けて欲しい。若い人たちもこういうのは面白がると思いますし。PTAや教育委員会は嫌がるかもしれないけど、映画的な「ある種の正義」というものが描ければいいんじゃないかと思います。機会さえあれば、ぜひまたやりたいです。

 

 

――最後に、これから本作をご覧になる海外の方へ向けてのメッセージをお願いします。

最近の今までの日本映画とはちょっと違うぞ、というところを観て欲しいです。男たちの熱い気持ちと、「正義とはなんぞや」ということ、そして若い男たちも観終わった後、男っぽい感じになって、映画館を後にして欲しいです。

Photo: (c)Asian Film Awards Academy

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