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  • Oct 02, 2019

「トゥルー・ディテクティブ 猟奇犯罪捜査」映画評論家・町山智浩が独自の切り口で語った作品の魅力とは?

本日2019年10月2日(水)よりブルーレイ発売、DVDレンタルが開始した「トゥルー・ディテクティブ 猟奇犯罪捜査」。リリースを記念して、映画評論家の町山智浩氏によるトークイベントが開催された。映画や海外ドラマだけでなく、アメリカ情勢にも精通している町山氏が、独自の切り口で、作品の魅力、見どころを存分に解説している。
 


本作は、事件当時の1980年、再捜査が行われる1990年、そしてウェイン刑事が記憶を辿りながら事件に向き合う2015年と、3つの年代が交差しながら進んでいく物語を綿密で重厚に描いた鳥肌が立つ程にハイクオリティーなアンソロジードラマだ。何度も見返したくなる緊迫のクライムサスペンスで本国での放送時から大きな話題となり、辛口レビューサイトでも高評価を叩き出している。
 

マハーシャラ・アリの演技は科学の領域に至っている
本作で3つの年代を演じる主演のマハーシャラ・アリ


本作で主演を務めるのはアカデミー賞を2度受賞したマハーシャラ・アリ。『グリーンブック』では貧しい少年を導く心優しきドラッグディーラーで素晴らしい演技を見せているが、本作では、ベトナム戦争で索敵特殊部隊に所属していたのち、アーカンソー州で刑事となった主人公のウェインを演じている。

町山氏は、「アリは大学で演劇理論を学んでおり、科学的に演技を分析している役者の一人。その他にも、『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』でアカデミー賞を受賞したオクタヴィア・スペンサーはニューヨーク大学で演技を学んでいるし、『それでも夜は明ける』『アス』『ブラックパンサー』に出演しているルピタ・ニョンゴもそうです。アメリカでは、演技は大学で研究されるもので、育ちや教養、立ち振る舞いなど、科学的に分析して演技をしていく潮流があります。」と、アメリカで主流となっている驚きの演技法を紹介した。さらに、「意外にも彼にとって本作は初主演作品ということで、かなり気合も入っていますね。」とアリの演技に注目してほしいと力説。


実際に起きた2つの事件が物語のベースに

事件の被害者となる幼い兄妹

本編では1980年に森の中で祈っているような姿の少年が遺体で見つかる。その近くには謎の藁人形が置いてあり、悪魔的儀式らしいという疑惑がささやかれていくが、その一方で、少年と一緒に行方不明になっていた妹のジュリーが発見されず、その子がどこにいるのかが1つのサスペンスになっている。

このドラマはアメリカで最も貧しいと言われている南部のアーカンソー州が舞台で、町山氏によると実際にあった2つの事件が基になっているのだという。

1つはフランクリン信用銀行が関与したとされた幼児売春斡旋疑惑。1988年から1990年にかけてネブラスカにあったフランクリン連邦信用金庫が幼児の誘拐拉致売春に関与していたという疑惑が都市伝説並に萬栄したことがあったのだそう。「その信用金庫は潰れてしまいましたが、実際に捜査をしてみたら、実は信用組合をクビになった男が流した噂に過ぎなかったと言うんです。噂というのは恐ろしいものですね・・・」と衝撃の事件の真相を解説した。
 

さらにもう1つは1994年にアーカンソー州で起こったウェスト・メンフィス3という冤罪事件。森の中で3人の子供が全裸で性器を切り取られた状態で発見され、悪魔教による儀式で殺されたのではと、証拠がないのにも関わらず3人の少年が逮捕された。町山氏は「アーカンソー州はキリスト教原理主義の厳しいところで、その3人はメタリカ(アメリカのバンド名)やメタル系音楽を聴いていたという理由だけで逮捕され、その後死刑判決が出ました。それが報道された時、当のメタリカは驚いて、ヘビーメタルのミュージシャンや、俳優のジョニー・デップなどもこの判決は不当だということで署名運動を起こし、10年以上も掛けて2011年にやっと彼らは釈放されました。」と話し、「どちらも冤罪ですが、その2つの事件がベースにあるんです。」と、実際にアメリカで起こった事件がモデルとなっていたことを明かした。 
 

本編で描かれるのは 2 つの愛のストーリー・・・?

いつの間にか時間軸から消える妻アメリア


町山氏は本作が2つのラブストーリーを描いていると話す。
1つは主人公のウェインと妻のアメリアの物語。2人は出会って恋に落ち、結婚して子供ができるが、ストーリーの中では、いつの間にか奥さんは時間軸の中から消えている。3つの時間軸が並行していくため、どこの時間軸で消えたかわからないのだ。
町山氏は「この愛がどうなっていくのかというラブストーリーが、実は1番の軸になっています。」と2人の関係が物語の鍵となることを匂わせた。
 


主人公の相棒を演じるスティーブン・ドーフ


もう1つのラブストーリーはウェインの相棒で白人刑事のローランドとの愛(?)。
『ブレイド』で悪役をやっていたスティーブン・ドーフが相棒役を見事に演じている。「黒人と白人のコンビなんですが、人種を超えた友情があってほとんどいわゆるBLですよ。相棒同士の秘めたる愛の物語で、そこも結構泣かせるんです。」と、町山氏ならではの視点で2人のコンビ愛を表現した。



作品について語る町山氏


最後に「主人公のウェインは事件の真相を探らないといけないのに、記憶がどんどん消えていく事と闘っていきます。どこまでが現在で、どこまで過去かわからなくなっていく。人は歳をとっていくと嫌なことを忘れようとしてしまいますよね。ウェイン自身も最初は正義の刑事だと思って見ていくのですが、彼自身が罪を犯しているんです。それもだんだんと分かっていく。いろんなテーマを持ち合わせている作品。重たいけれど、大きな感動が待っています。複雑だけど、何度も観たくなる作品ですね!」と、作品をPRし、締めくくった。
 



「トゥルー・ディテクティブ 猟奇犯罪捜査」
2019年10月2日(水) ブルーレイ発売、DVDレンタル開始

■ブルーレイ コンプリート・ボックス(3枚組) ¥11,818+税
■DVDレンタル Vol.1~Vol.5
【映像特典】(約130分 ※予定) 
●30年の時を超えたデザイン
●企画/製作総指揮ニック・ピゾラットと音楽T=ボーン・バーネットの対談
●第8話 墓標 エクステンデッド版
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント


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