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やはりオヤジの壁は…!? 町山智浩氏が語る、親父が活躍する海外ドラマ2本を紹介。

ワーナー・ブラザース テレビジョン&ホームエンターテイメントで好評発売・レンタル・配信中のDCTVシリーズ最新作「ブラックライトニング<シーズン1>」。そして、3月6日(水)にリリースとなる「メディア王~華麗なる一族~<シーズン1>」。この2本のドラマの共通点は、ずはり、オヤジさん。

 

この度、2作品のリリースを記念して、アメリカ在住の映画評論家、町山智浩氏によるトークイベントが開催された。アメリカの社会情勢も反映されている「ブラックライトニング<シーズン1>」と、実在する世界的メディア王 “ルパート・マードック”をモデルにした「メディア王~華麗なる一族~<シーズン1>」について、町山氏独自の視点と切り口で解説された本イベントについて紹介しよう。

 


1.「ブラックライトニング」~雷オヤジがここにいた!~

「ブラックライトニング」はDCの同名コミックを原作に、主人公が一度ヒーローを引退した中年男性という設定にアレンジされ、父親としての苦労話を軸にストーリーが展開される。アメリカでは夜の21:00~22:00に放送されているため、「日本で言えば夜の時間帯に仮面ライダーをやっているみたいなもの。漫画を読んでいた世代がおっさんになって、会社から帰って観る番組にしている」と町山氏は分析。

 

また、主人公のジェファーソン・ピアースを実際に48歳のクレス・ウィリアムズが演じている事について「顔が出ていてごまかしがきかないから、アクションをちゃんと自分でやっていてすごい。でも実は演じている役者さんはアクションスターではないんです。彼は名門大学出身でシェイクスピア俳優だった人。まさか自分が50歳近くになってアクションをやるとは思っていなかったのでは」と紹介した。

 

 

さらに主人公は校長先生でもあり、無抵抗・非暴力主義のキング牧師の言葉を引用した台詞をよく口にしていることから、町山氏は「暴力はいけませんと言いながら夜な夜なギャングをぶちのめしている。口だけの男ですよ」とそのギャップの面白さを指摘。ブラックライトニングが闘う相手が、子どもたちを悪に誘惑する地元のギャング集団である事にも触れ、「世界の平和は関係ない。近所の子供が悪くならない事が最大の目的。そこがリアルな話で面白い」と語った。

 

そして主人公が電撃を操る能力を持ち、怒ると放電する場面があることから、「お父さんが怒ると電気がスパークする。これは日本で言う雷オヤジの話ですよ。まさかアメリカで復活するとは思わなかったですね」と話して会場を笑わせた。

 

 

アメリカ在住の町山氏は、本国アメリカの社会背景にも照らし合わせて本作を紹介。例えば、1話の冒頭で警官に意味のない職務質問をされるシーン。実際にアメリカでは黒人が車に乗っているだけで警察に止められ、銃を持っていないのに射殺される事件が多発している事が反映されている。以前は証拠偽証などで闇に葬られていたのが、スマホで現場の動画が撮られる事によってごまかしが効かなくなり、数年前から表に出てきているのだという。「このシーンで、主人公は警察に頼る事ができない。だから自分が闘うしかないという事を表している」と町山氏は解説した。

 

 

さらに本作が画期的な点として、「結婚した後もスーパーヒーローを続ける事ができるのか?」というテーマを扱っている事を指摘。実は「スパイダーマン」の原作コミックでも主人公は一度結婚していて、家庭を持ちながらヒーローを続ける展開があったが、それ以上話が続かなくなってしまったという。本作では一度結婚後にヒーローを引退するも、再び復活した後の話が描かれており、『Mr.インクレディブル』との類似性も指摘。「ここでいうスーパーヒーローとは、家庭に収まって真面目に生きていても目覚めてしまうは男のアイデンティティーみたいなもの。果たして何を象徴しているんだろうか?と色々考えてしまいます」と町山氏は含みを持たせつつ、「お父さんが楽しめるお父さんのためのスーパーヒーロードラマである」と、まとめている。

 

2.「メディア王~華麗なる一族~」

本作はシェイクスピアの悲劇「リア王」を下書きとし、富豪一家の継承と権力争いを描いている。町山氏は本作の登場人物を“全員悪人”と評し、「金持ち一家に置き換えた『アウトレイジ』」と例えて紹介。有料ネットワークのHBOで放送された本作では、地上波放送でギャングも綺麗な言葉を使う「ブラックライトニング」とは対象的に、登場人物がFワードなど下品な言葉を使いまくり。貴族のような生活をしている富豪一家だが、人間的にはとにかく下品で最低で、それがブラックコメディとして描かれている。

 

町山氏はアメリカの法制度を交えながら、「離婚した奥さんなども含め、家族が多ければ多いほど経営権が分散され、子供や奥さんが増える度、一人ひとりの相続できる財産も減っていく。だから子供同士の仲もものすごく悪い」と作品の背景を解説した。

 

 

また、本作の主人公ローガン・ロイは実在する経営者ルパート・マードックをモデルにしており、彼がメディアを次々に買収し、プロパガンダ的にメディアを利用することで、政治的権力を握っていった事を解説。また、本作は元々彼を実名で描いた映画の脚本として書かれており、架空の人物に設定を変えてドラマ化されたという経緯も説明した。また、『バイス』がアカデミー賞®の作品賞・監督賞にノミネートされているアダム・マッケイが監督を務めている事にも触れ、元々「サタデー・ナイト・ライブ」で、アメリカの政治家をちゃかした時事ネタのコントを書いていたコメディ畑の彼にとって、「マードックは得意の材料」と紹介した。

 

 

本作にはマードック以外にも、様々な親族経営の大企業にまつわる争いの実話を盛り込んでいる事も解説した町山氏。大塚家具やロッテなど日本でも実例があり、世界中でよくあるリアルな話を描いていると指摘。「全世界の政治をも動かしている大金持ちの一族が、家族同士でクズみたいに争っている。それが傍から見ると面白い。ブラックコメディでありホームドラマ」と作品の魅力を語った。

 

親父さんが繰り広げるドラマ2本、気になる方は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

 

「ブラックライトニング<シーズン1>」
DVD発売・レンタル中/デジタル配信中
DVDコンプリート・ボックス(3枚組)\9,400+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
BLACK LIGHTNING and all related characters and elements TM & © DC Comics and Warner Bros. Entertainment Inc.

「メディア王~華麗なる一族~ <シーズン1>」
2019年3月6日(水) DVDレンタル開始
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
© 2018 Home Box Office,Inc. All rights reserved. HBO ® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

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